【短編小説】白い記憶/星新一
何度も曲り角でぶつかり、気を失う二人。ちょっと取ってつけたようなシチュエーションである。ストーリーが面白くないわけではないが、何だか色々な言動にアリティを感じられないせいで、あまり小説の世界に入っていけない。自分の物語に対する好みもあるだろうけど。
【詩・俳句・短歌・歌詞】聴く力/茨木のり子
作者本人のことを書いたのだろうか。明示されていないが、恐らく自分のことを語っているのであろう。言葉というものは、「私」と「あなた」が存在して初めて意味があり、成立するから、作者の言う通り「受けとめる力」は大切である。ちなみに、「うからやから」は、親族という意味だそうだ。
【論考】理想と現実について/森本哲郎
岡倉天心の「アジアは一つである」というも言葉をめぐる論考。筆者が解釈するように、アジアが一つではないから、上の言葉があったのだと思う。卑近な例だが、一体感が乏しいから「One MIZUHO」とか言うのだろうし。ただ、今の世の中は多様性の時代なので、ますます一つになりづらくなっている。