カミュ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#004】


【1月4日】
カミュ:1913.11.7~1960.1.4

不条理という言葉のあてはまるのは、この世界が理性で割り切れず、しかも人間の奥底には明晰を求める死に物狂いの願望が激しく鳴りひびいていて、この両者がともに相対峙したままである状態についてなのだ。不条理は人間と世界と、この両者から発するものなのだ。いまのところ、この両者を結ぶ唯一の絆、不条理とはそれである。

『シーシュポスの神話』清水徹訳、新潮文庫、1969年

【メモ】
確かに不条理とは、人間理性での正しさや事実と、世界の現実や在りようとのギャップによるものなので、人間や世界の存在、それぞれだけでは成り立たないと思う。ただ、よく読むと、人間と世界は不条理にしか存在しえないと言いたいのだろうか。