【短編小説】波状攻撃/星新一
魚心あれば水心ありというのか、課題のあるところにソリューション(解決策)を持って行けば、容易に信じてもらえるものだ。エセコンサルティングがパッケージ化されたようなストーリーである。それにしても、タイトルが現代的ではなく、あまりピンとこなかった。
【詩・俳句・短歌・歌詞】勧酒/于武陵
五言絶句、中国の詩ということもあってか、原文を読むだけでは、やや平板な感じがした。しかし、井伏鱒二さんの訳を読むんと、グッと立体的な時になってくる。「『サヨナラ』ダケガ人生ダ」の件は、名訳だと思う。
【論考】自分について/森本哲郎
「汝自身を知れ!」というアポロンの神託から、ソクラテスの「無知の知」や哲学の認識論などに話を展開し、ある意味正しい論調だとは思うものの、ロジックがあまりつながっているように思えなかった。「自分」とは不思議な概念だとは理解しているのだが。