【短編小説】鏡/星新一
悪魔が出てくるが、あまり存在感はなく、夫婦の悪意を受け入れるだけの存在。最格的には、悲劇的な状況になるが、それも必然的なようで、十三日の金曜日だけで説明されても納得しづらいのではないか。鏡という題名は、悪魔を呼び出す道具といるより、自身を写し出すものという意味だと思う。
【詩・俳句・短歌・歌詞】表札/石垣りん
ちょうど表札をつくらなければ、と思いっていたこともあり、ある意味でタイムリーだった。「ハタから表札をかけられてはならない」というのは、まさにその通りだと思う。それにしても、詩というよりも、独白や宣言のように聞こえた。
【論考】歴史について/森本哲郎
その人によって真理がある、ということに違和感があると言ったら言いすぎなのだろうか。歴史はさておき、真理はそれぞれと言ってしまったら、それは単なる想対主義になってしまう。文化によって大切なものが違うというのはわかるが、真理とは、誰にとってもじ通じるものでなければないたろう。