「飛んで火に入る」ものは何なのか?


企画提案やプランニングをしていて、どうしても陥りやすいのが「アイデア勝負」。周りの人や受け手もそこしか評価しないので、日々の業務という点で言うと仕方ない部分もあるが、やはりできるだけ控えたいと考えている。

ブレストしていても「割引」とか「無料」とか値段に関するものが出ると、結構多くの人が「安くなると多くの人に訴求できる」と判断しがちだ。でもこれってコミュニケーションではなく、金勘定に話がすり替わっていないか。どうすれば共感してくれるのか、何に心を動かしてくれるのかをを問わずに、伝える相手の財布の中身を覗きに行っても、ストーリーテリングにはつながらないと思う。

ただ、この違和感を理解してもらうのは結構難しい。色々なところでそんな経験をしてきた。すごく分かりやすい例で言えば、「タイトルに“無料”って入れたら、クリック率上がりますよね」といった発言をされたときだ。

確かにCTRに影響あるかもしれないが、最終的にコンバージョン率は上がらないというようなその後のユーザーの行動を想像してもらいづらいのである。「人の頬を札束で叩く」という表現があるが、人は何によって動き、感動するのか、プランニングする人は少し冷静に考える必要があるだろう。

ちょっと「アイデア勝負」とは話しが離れてしまったようだが、キラキラしたものに群がるのは夏の虫に任せた方がヨイと思っている。


「さよなら、BOOM BOOM SATELLITES」とは言いたくない


朝、目が覚めてFacebookを見ていたら、流れてきたのが次のBOOM BOOM SATELLITESの投稿「■posted by nakano 2016.5.31」だった。割と気軽に見に行ったが、ボーカル&ギターの川島道行さんの現状を知って、非常に哀しい気持ちになった。

BOOM BOOM SATELLITESについては、きちっとチェックしているほどではなかったものの、フジロックに出演しているときは、必ず見に行っていたし、自分としては珍しくDVDなんかも購入していた。クールだけど情熱的で、何より体がムズムズして踊り出したくなる鋭い音がとても魅力的なユニットだった。

改めて確認してみると、2015年のフジロック、ホワイトステージに出演していた。もちろん私は、このステージを見たのだけど、確かにその時の川島さんが、何だか心ここにあらずな感じもしていて、勝手に心配していた。ただ、当時は病気は大丈夫という報道がされていたので、自分はその情報を信じようとしていた。「きっと大丈夫なはずだ」と。

もうBOOM BOOM SATELLITESは終わるのかと思うと、やはり感傷的な気分になる。自分たちの意志で解散などするのであれば、割り切りがつくのだけど、病気が原因で、少なくとも川島さんの立場からすると、音楽が奪われてしまったのだろうから。