レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。
【短編小説】セラピー/リディア・デイヴィス ○
セラピーに通う女性。彼女自身にとって、重大かもしれない出来事はあるのかもしれないが、小説らしいエピソードがあるわけではない。いつも通り、ややネガティブな記述が淡々と続く。そして最後は、「それを決めるのは、たぶん私ではないのだろう」で終わる。もちろん人生は、自分の意志だけで成立するわけでなないが、それでも哀しい気分になるのだった。
【詩・俳句・短歌・歌詞】ああめん そうめん/坂田寛夫 ○
「おあめん そうめん ひやそうめん」というフレーズは、この詩から生まれたのだろうか。全く出自は知らなかったが、フレーズだけはなぜだか子どものころから知っていた。語感のユニークさの印象がとても強く、明るいイメージを持っていたが、詩の中では、父親の死を嘆く箇所があった。「ああめん」という言葉があるので、よく考えたら当然なのだろう。
【論考】わからないのは当たり前/池田晶子 ◎
「たかが人生ではないか。こういった構えも、なかなか感じのよいものです」。こういった考えは、普段暮らしているだけでは思い至ることもなく、読書するからこそ得られる思考だと思う(もちろん、著者が池田さんだからこそということもあるが)。「たかが人生」と考えられたら、もっと自分が自由になるし、広がりを感じられるであろう。