言葉なきものたちの仲間になる【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0157】


レイ・ブラッドベリさんが、「クリエイティブになるには、三種の読書を1000日続けよ」と仰っていたということで、短い物語(短編小説)、詩・俳句・短歌・歌詞、論考と三種類のテキストを毎日読みます。そして、何を読んで何を感じたかを、備忘録的に記録しています。

【短編小説】分解する/リディア・デイヴィス ○
2度ほど読んだが、何とも頭に入っていなかった感じだ。ストーリーとしては、ある男性が女性との一度の関係について、分析するというか、収支を計算するのだが、時間軸も明確ではないし、情景描写もほとんどないため、テキストを読んでも、あまり具体的なイメージが頭に浮かばなかった。

【詩・俳句・短歌・歌詞】さようなら/谷川後太郎 ◎
この詩における「さようなら」は、死に際して、魂が身体に語りかける言葉。視点や表現として、とてもユニークで、死を無迎える暗さがないのも気持ちがヨイ。なかでも、最後の2行「泥に浴けよう空に消えよう/言葉なきものたちの仲間になろう」は、スマッシュをスパンと決めたような感覚で読めた。

【論考】こんな/ロラン・バルト △
俳句について。「俳句は何ものにも似ず、いっさいに似ている」と最初にあるのを読んで、いきなり迷子になった感じだ。筆者曰く、俳句は意味を排除しているという。また、「それはこんなだ」といった単なる指示であるとも語る。17音しかないのだから、それは意味の排除ではなく、行間の拡張、最大化ではないのだろうか。