「レスボス島のサッフォー」「アニミズム」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#012】


第2週第5日(金)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
12 音楽:旋律
旋律は、メロディーと呼ばれることも多く、一つまたは複数の楽器で演奏されて、和声(ハーモニー)、リズムと並び、音楽の三要素の一つである。普通旋律は、楽句(フレーズ)という短い単位がいくつか集まって、全体構造を形作る。モーツァルト、シューベルト、シベリウスの三人が、旋律作りの天才と言われる。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
12 文筆家・芸術家:レスボス島のサッフォー
「レズビアン」の語源となったレスボス島出身のサッフォー(前630頃~前570頃)は、古代ギリシアの詩人。彼女は同性愛を題材にした西洋史上最初の作家の一人であり、死後数百年年後にプラトンにより「十番目のミューズ」と評されている。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
12 思想と社会:ラッダイト
ラッダイト主義とは、科学技術に対する激しい反感のこと。この名は、19世紀のイギリスで、新しい工場制機械工業に生活を脅かされて、機械の破壊運動をした繊維労働者(ネッド・ラッドという名で実在が不確かな人物)に由来する。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
12 性徴と生殖:精子
精子は、男性の精巣で毎日約3~4億個が成熟する。雄性生殖細胞は、ヒトが持つ全染色体の半数にあたる23本の染色体を核の中に詰め込んでおり、子どもの性別を決めるのは精子である。放出された精子は、最長7日間生存できる。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
12 芸術:祭器
弥生時代に大陸から持ち込まれた銅矛や銅剣、銅戈などの金属製品は、祭器として扱われるようになった。やがて弥生時代の中ごろになると、中国から神獣鏡のような銅鏡も伝来するようになる。銅鐸も弥生文化を代表する遺物だが、これも祭器として用いられたようだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
12 暮らし・信仰:アニミズム
アニミズムとは、万物に精霊や霊魂が宿っているとする思想で、原始宗教の一形態。時代が下ると、アニミズムの神話の中に、氏族の祖先が神として登場する例がある。日本神話も複数の氏族の神話を統合させながら成立したと考えられる。その後、多神教となったり、一神教になったりしている。


ジョイス【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#0013】


【1月13日】ジョイス:1882.2.2~1941.1.13

雪は、また、マイケル・フェアリーが埋もれている丘の上の淋しい教会墓地のいたるところに降っている。雪はゆがんだ十字架や墓石の上に、小さな門の穂先の上に、不毛ないばらの上に、深々と降り積もっている。彼の魂は雪の降る音を耳にしながら、しだいに知覚を失っていった。雪が、かすかな音を立てて宇宙に降り、最後の時の到来のように、かすかな音を立てて、すべての生者たちと死者たちの上に降りそそぐのを耳にしながら。(「死者たち」)

『ダブリンの市民』高松雄一訳、集英社、1999年

【アタクシ的メモ】
雪は、分け隔てなくあらゆるところに降り積り、そして生者に対しても、死者に対しても降るのだった。


理想郷として、何をイメージすればヨイのか?【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0039】


【短編小説】意気投合/星新一
国や地域が違えば、文明、価値感も異ってくるだろうから、「歓迎」の意味するところも、単なる友好関係とは限らないであろう。どんなどんでん返しがあるのかと思ったら、金属不足な惑星だったという。それにしても、金属が貴重な星の人たちが、宇宙船を簡単に解体したり、利用できるのだろうか?

【詩・俳句・短歌・歌詞】朝 私は海に網をうった……/ラビンドラナート・タゴール
「網をうった」というフレーズを読んででとき、『釣りキチ三平』をふと思い出し、また読みたくなった。さて本題に入ると、インドの詩を初めて読んだと思う。とても独特な感じがする。詩というよりも、散文のようだし、今でたとえると、ツイートみたいな気もする。ロジカルでもないし、思いのまま書かれているように思える。

【論考】ユートピアについて/森本哲郎
まず「ュートピア」という言葉を聞かなくなったなぁと思った。多様性の時代には、理想郷は人それぞれだし、何とも共有しづらいのだ。文中で言われるように、「ユートピアとは自然である」というのは、少なくと現在では当てはまらないのではないか。共有しづらいだけでなく、多くの人にとって、理想はぼんやりしていると思う。


アガサ・クリスティ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#0012】


【1月12日】アガサ・クリスティ:1890.9.15~1976.1.12

会話において、何かをかくしているものほど、危険なものはないよ! あるフランスの老賢人が私にいったことがある。話というものは、考えることを妨げるための、発明だ、とね。そしてまた、人がかくそうと思っていることを発見するための、誤りのない方法でもあるわけだ。人間というものはだな、ヘイスティング、自分自身をあらわし、その個性を表現するために、会話が与えてくれる機会には、抗し得ないものだよ。

『ABC殺人事件』堀田善衛訳(『世界名作推理小説体系』9、東京創元社、1960年

【アタクシ的メモ】
人は、会話すると考えなくなる。会話は、隠し事を発見する方法。会話は自分の個性を示すための格好の機会ということか。だとすると、「会話において何かをかくす」ということは、非会話的な精神状態なのだろう。ちょっと当たり前すぎる言説にも思えるが…。


「エラトステネス」「竪穴式住居」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#011】


第2週第4日(木)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
11 科学:エラトステネス
古代ギリシアの学者たちの多くが、世界は丸いと考えていた。アレクサンドリア図書館の館長エラトステネス(紀元前276頃~前194)は、2つの場所の影の角度と距離を測定することで、地球の全周を3万9700キロと推定した最新の装置で測定すると、赤道の全周は4万75キロ)。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
11 悪人:イゼベル
イゼベルは旧約聖書で悪人として描かれるフェニキア人。自らの信じるバアル神を崇拝するようイスラエルの人々に強要し、崇拝を拒むイスラエルの預言者たちを殺害するよう命令した。後に、息子であるヨラム王の部下イエフによって殺される。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
11 映画:D・W・グリフィスと『國民の創生』(1915年)
グリフィス(1875~1948)は、クロスカッティングやロングショット、ミディアムショット、クローズアップの使い分けなどから、いわゆる「映画文法」を作り出した映画監督と考えられる。出世作はアメリカ初の歴史劇『國民の創生』で、その内容は露骨な人種差別に満ちており、大きな議論を巻き起こした。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
11 こころ:脳室
脳脊髄液と呼ばれる脳内の透明な液体は、栄養素を運び、老廃物を取り去り、もろい脳組織へのショックを吸収する層として重要な役割を果たす。この物質は、脳室という頭蓋骨内部の奥深くにある4つの中空の室の中で作られ、蓄えられる。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
11 科学・技術:鋳物
古代エジプトのピラミッドを造った鋳造技術は、エジプトからメソポタミアへ、さらに中国大陸、朝鮮半島へと伝わり、弥生前期末頃日本に伝播した。技術のノウハウは、古代からほとんど変わっておらず、鋳造したい物の原型を木などで作り、そこから砂で型を作るのである。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
11 経済:竪穴式住居
原始、地面に穴を掘り、屋根をつけた竪穴式住居が登場する。北海道などの寒冷地では、竪穴が深く掘られ、室内の温度を一定に保つ効果があったようだ。弥生時代に入ると、壁立式住居も誕生する。


海の響きをなつかしむ【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0038】


【短編小説】診断/星新一
正直言って、これはオチてないなーと思った。シュートショートなので、複雑な構成にはできないだろうが、仕掛けは診断者の件だけだと、もの足りなかった。ジャストアイデアたが、院長と青年の掛けけ合いがもっとあったら、よかったのではないか。

【詩・俳句・短歌・歌詞】耳/ジャン・コクトー
非常にシンプルな詩。日本語だと十七文字で終わる。だからと言って、中身が薄いかと聞かれれば、そんなことはないと思う。この話は何かを伝えようとするよりも、読むことで読み手が色々と想像したり、その人なりの海を想起させようとしていると感じた。とても新鮮。

【論考】文明の出会いについて/森本哲郎
2回ほど読んだが、全体を通して筆者の言わんとすることがよく分からなかった。東洋と西洋が交り合い渦巻いていた時代があったということだとしたら、それはその当時の変化であって、それ以前とそれ以後などと比べる必要もないし、その瞬間だけが貴いというわけではないだろう。


ウィリアム・ジェームズ【『一日一文 英知のことば』から学ぶ#011】


【1月11日】ウィリアム・ジェームズ:1842.1.11~1910.8.26

うじ虫には明瞭な自我の観念も宇宙の観念もないけれども、踏みつけられたうじ虫でさえも、苦しんでいる自分を彼以外の全宇宙と対立させる。虫は私にとっては単に世界の一部分に過ぎないが、虫にとっては私が世界の一部分に過ぎない。われわれはすべて全宇宙を異なる場所において二つに分割しているのである。

『心理学』(上)今田寛訳、岩波文庫、1992年

【アタクシ的メモ】
自意識があってもなくても、主観と客観が成り立つと言いたいのかな。真意は読み取れず。


「ピタゴラス」「古事記」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#010】


第2週第3日(水)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
10 視覚芸術:ネフェルトイティの胸像
ネフェルトイティは、アメンヘテプ四世(アクエンアテン)の最も重要な王妃。彼女こそ、王の背後で新宗教を推進した人物のようだ。胸像は約34000年前に作られ、高さは約50センチ。ほぼ完全な状態で発見された。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
10 革新者:ピタゴラス
三平方の定理で知られるピタゴラスは、古代ギリシアでピタゴラス教団という宗教結社を創設した。団員は数学と科学を学ぶことで、神に近づけると信じていた。また、教団の中心信条に輪廻転生があった。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
10 音楽:スコット・ジョプリン
スコット・ジョプリン(1867頃~1917)は、ラグタイム・ミュージックの最も有名な作曲家だ。最初のメジャーヒットは、1899年の「メイプルリーフ・ラグ」。以後、最も有名な作品の一つである「ジ・インターテイナー」(1902年)をはじめ、数々のヒット曲を世に送り出した。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
10 薬と代替療法:セファロスポリン
セファロスポリンは1950年代に発見された、ペニシリンに関連した抗生物質の一種。セファロスポリンはペニシリンに対して、耐性のある感染症に罹患する患者によく処方される。多くの効能があり、耳、鼻、咽喉、皮膚、副鼻腔の炎症や肺炎、ブドウ球菌感染、気管支炎などの治療に使われる。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
10 文学:『古事記』
『古事記』は、第43代の女帝、元明天皇の勅令によって編纂された現存する日本最古の歴史書である。上巻は国生みの世界と神話、中巻・下巻は天皇の系譜や物語が書かれている。中でも下巻は、極めて記録的、現実的な内容のため、天皇の実在性を根拠づける資料である。文章はすべて漢字で書かれている。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
10 外交:大陸から伝わったもの
大陸から伝わったものの中で、最も重要なのは米と鉄器だろう。日本は青銅の時代はなく、いきなり鉄の時代となった。鉄器は人々の生活を便利にしただけでなく、争いを凄惨にもした。また、織物の技術も大陸から伝わった。


時代によって日本人も変わるだろうよ【ブラッドベリ1000日チャレンジ#0037】


【短編小説】キツツキ計画 /星新一
悪党たちの奇想天外な悪だくみは、運悪く失敗に終わる。ただ、そもそもそんな計画で、大もうけできるのかしらという感じ。キツツキを訓練できるとも、正直思えないので、空想的なストーリー展間だと思う。前半にあった「ツキ計画」とどんな違いがあるのだろうと期待していただけに、ちょっと残念。

【詩・俳句・短歌・歌詞】のちのおもひに/立原道造
「はじめてのものに」と対をなすようだ。どうしても、言葉がスッと入ってこないのである。何だか語かけられているというより、断り続けられているような感触がする。悲しさを歌っているのだろうと思うが、遠回りしているような、もったいつけているよすな表現に思える。

【論考】日本の社会について/森本哲郎
著者は、日本人、日本の社会は同調圧力が強く、画一を迫るという。私が子どもの頃は、盛んにそう言われていたし、自分を含め確かにそうした雰囲気が強かった。しかし、現在はそれほどでもないように感じる。画一的というより、結構てんでバラバラではないだろうか。


「ヘラクレイトス」「アンナ・カレリーナ」など【「1日1ページ教養シリーズ」を毎日読む#009】


第2週第2日(火)
■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
9 文学:アーネスト・ヘミングウェイ
20世紀のアメリカ人作家の中で、アーネスト・ヘミングウェイ(1899~1961)ほど人々に影響与えた者はいないだろう。反復を多用しつつ、無駄をそぎ落として、男らしさを前面に出し、単純な見かけの裏に真意を隠す文体。『日はまた昇る』(1926年)、『武器よさらば』(1929年)、『誰がために鐘は鳴る』(1940年)、『老人と海』(1952年)などを執筆する。1954年にはノーベル文学賞を受賞。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【人物編】
9 哲学者・思想家:ヘラクレイトス
ヘラクレイトス(前540頃~前480頃)は、世界は火でできており、絶えず変化していると考えた。この考え方は、永遠の真理を定義づけようとするほかのギリシアの哲学者とは対立するものである。

■1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365【現代編】
9 文学:『アンナ・カレリーナ』
レフ・トルストイの『アンナ・カレリーナ』(1877年)は、言語の枠を超えた最高傑作小説の一つだろう。文学における悲劇的人物の代表例であり、様々な世代の読者から、フェミニズムの象徴、ロマンティックなヒロイン、悲劇の犠牲者などと解釈されてきた。

■1日1ページ、読むだけで身につくからだの教養365
9 病気:白血球
白血球は、血流の中を浮遊しながら、身体の中に侵入してくるウイルス、細菌、毒素などを撃退する。防御を必要とする組織領域から化学的メッセージを受け取ると、血管壁を通り抜け、有害な生物を攻撃する。大部分の寿命は、わずか数日である。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365
9 歴史:旧石器時代の遺跡
群馬県の岩宿遺跡はそれまでの定説覆し、初めて日本における「先土器(無土器)文化=旧石器時代」存在を証明した遺跡だ。岩宿遺跡が見つかる前、日本人の起源は縄文時代とされ、それより前の旧石器時代、日本に人類はいなかったと考えられていた。関東ローム層から黒曜石の槍先形をした石器が発見されたのだ。

■1日1ページ、読むだけで身につく日本の教養365【歴史編】
9 争い:小国の分立
弥生時代になると、土地や水利権、保存された食料の奪いなどが原因で、各地で争い起きたとされる。その結果クニが生まれ、後漢(25~220)に編纂された『漢書』によれば、日本には百以上の小国が存在したようだ。さらに、3世紀に成立した「魏志倭人伝」には、邪馬台国などが登場している。