ビョークは巫女であり、彼女の歌は御託宣である【フジロックGO #0098】


先日、iPhoneで音楽をシャッフルしながら聴いていたら、Björk(ビョーク)の「Vespertine」の1曲が流れてきた。相変わらず、ボーカルがやたらと深い。正直に言って、アタクシにとってそんな好みのアーティストではないけど、彼女の声を聴くと妙な納得感があるのだ。

フジロックにも、ヘッドライナーとして何度も登場している。調べてみると、1998年(第2回、豊洲でやった年だ!)、2003年、2013年と3度出演したようである。1998年は、先ほど言った通り、あまり好きなアーティストでなかったこともあって、Iggy Pop(イギー・ポップ)を見に行ったと記憶している(20年以上前なので、そんなに自信はないが…)。2003年は、結構がんばって見たのだが、途中で退屈になって離脱してしまったと思う。

そんなこともあり、2013年のときは、あまり期待せずに、割と遠巻きしていた。最初から全部見るつもりなく、グリーンステージのパフォーマンスを眺めていたのだ。そして、結局その時も、フィナーレまで見ずに宿に戻ったはずである。ただ、2013年の時は、見終わった後の感触がかなり違っていた。何だかスゴイ体験をしたようにも感じたのである。

一緒に行った友人たちと、「ビョーク、やっぱりすげーな」みたいな会話をした。そのとき「ビョークって巫女みたいだよな。古代に生まれてたら、絶対あの歌で民衆を従えていたはず」というような話しも出た。アタクシと友人たたは、もう音楽性がどうだということよりも、声だけで誰もをひれ伏せさせる力を感じたのである。

繰り返しになってしまうが、ビョークをもう一度聴きたいという気持ちはあまりない。それでも、苗場の山々の中で、彼女の歌声を聴くことがあったら、やはりアタクシはひれ伏してしまうのだと思う。